スイング中に骨折(1)

田原プロに習い始めて暫くしたときの事です。

いつものように夜明けと同時に練習場に行き、ボール打ちに励んでいました。
毎日の日課は 〈10時間の練習〉 〈本業の漫画を10時間〉 〈睡眠が4時間〉
そんな生活が数ヶ月も続いていました・・・疲れは満杯状態でした。
いつ過労で倒れてもおかしくない状態でしたが、当時はまだ若く(33歳)
体に無理がきいていました。

ドライバーを打ち続けて3時間もたった頃でした・・疲れを感じていました。
確かにクタクタだったように記憶しています。
テークバック、トップ、そして切り返し、ダウンスイング、
右ヒジは脇腹に当たりロックされる!
クラブはそのまま引き下ろされインパクトへ向かう・・・その時でした!

体の中で《 バキッ! ! 》と、鳴り響く大きな音と同時に一瞬体が揺れた。

ナイスショットの筈が目の前を転がるボール・・・・・。
チョロだった驚きよりも、自分の体の中から鳴り響いた大きな音に驚き、
思わず回りの練習客を見回しました。

ところが誰も皆、知らん顔をしているではないですか・・・
〈・・もの凄い音がしたのに聞こえなかったのかな?〉と、思った瞬間、
私の体の中を激震が走りました。
〈い、痛い〜〜〜〜〜っ! !  なんなんだぁっ、この痛みわぁ ! ?〉
まるで妬け火箸を右脇腹に差し込まれたみたいで、思わずその場に
しゃがみ込んでしまいました。
〈痛い! !・・・息が出来ない・・! ! 立て・・ない・・・! !〉
這うようにして椅子に座り、激痛が通り過ぎるのを待つ・・5分・・10分・・
息を吸うだけで激痛が走る、脂汗が出る・・苦痛に歪む自分の顔が想像できる・・。

その時、初めて骨が折れた事に気付きました・・・! !
〈まずい! このままでは折れた肋骨が皮膚を突き破り出てくる! !
 ・・いや、内臓に刺さって内出血・・・へたすりゃ死ぬのかぁ!?〉
〈あの音から想像すると凄い折れ方しているに違いない・・・病院へ・・
 何とか病院まで行かなくちゃ・・! !〉

必死の思いで立ち上がり、振動しないようにそおっ・・と歩き、
スクーターにまたがりクラブを担いで、そおっ・・と走らせる。
大急ぎで・・そおっと・・振動が痛い! ! 脂汗を流しながら激痛にたえた5分の道のりが
1時間にも感じ、やっと事務所に到着。 
クラブを放り投げ、汗だくのTシャツだけ着替えて再びスクーターにまたがり病院へ!

「樹本さんどうされましたか?」と、病院の受付のおばちゃんがにこやかに私を見る。
青ざめて脂汗を流している私を見て、
「あら、どうされました?」と。
「・・肋骨が・・折れました・・」と、小声で答える私。
「あらまぁ大変! では順番が来たら呼びますので、そちらに座ってお待ち下さい!」
と、にこやかに受付のおばちゃんが・・・。
〈おい・・肋骨が折れたって言ってるのに10人以上いる後ろに並べってのかぁ!? 〉
〈おぉ〜〜〜〜い・・・! まさかこのまま待てってぇのか・・・! 何とかしてくだ・・さい・・〉

    「スイング中に骨折(1)」 完。


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