田原紘プロと初対面

私にとって田原 紘プロはとても大きく、大切な存在です。
私の人生観を180度 激震させて下さった方です。
大げさな・・・ですって?
いえいえ、決してオーバーでも大袈裟でもありません。

田原プロと始めてお会いしたのは、今から21年前、平成元年の1月でした。
【ゴルフレッスンコミック誌・創刊】の打ち合わせでプロのお宅に
お邪魔したときでした。
応接間に通され、待つことしばし『ゴメンよ、お待たせ!』と、満面の笑みで
スラックスにポロシャツ、薄めの品のいいセーターを着こなしている。

「初めまして・・・」と、一同挨拶を済ませ、打ち合わせに入る。
それまでのにこやかな笑顔が(ピン!)と筋の入った様子に変わった。
雑誌の目的、方向性、レッスンの内容、等を話し、
「絵を描くのが、こちらの樹本君です。」と、編集長の紹介に
『おおっ、そうかぁ、てっきりお前さんも編集サンかと思ってたよ!
 そうか、そうか、漫画家の先生って言うのはこんな顔してるんだ!』と、
満面の笑みで私の手を握ってくれました。
その手はとても暖かく、優しい笑顔でした。

『ではこの仕事を引き受ける前に樹本さんに2、3質問がある!』と、田原プロ。
内心ドキッとしました (自分の答え方次第で田原プロに断られたらどうしよう・・) と。
『ゴルフ経験は?』
「ちょうど丸1年になります。」
『最近のスコアは?』
「101、102、103、ぐらいです・・この8ヶ月間、100 を切れそうで切れません。」
『8ヶ月間・・・丸1年・・・初ラウンドのスコアは?』
「160 台です。」
『次は?』
「1ヶ月後の130 台です。」
『次は?』
「1ヶ月後の120 台です。」
『次は?』
「1ヶ月後の110 台で、その後はずっと100 が切れそうで切れませんでした。」
『ゴルフ以外のスポーツ経験は?』
「草野球をずっとしていました、3年ほど前からモータースポーツを本格的に
 楽しんでいます。」
『モーター・・・?』
「オートバイレースです、 野山を走るオフロードレースと、
 サーキット場を走るオンロードレースの両方を楽しんでいます。」

少し沈黙の時間があって、小さく首を縦に振っている田原プロ・・・。
『よしっ、この仕事引き受けましょう! ・・が、ひとつ提案があります。
 この連載を半年、1年で終わらせるのは勿体ない、樹本さんがシングルプレーヤーに
 なるまでのレッスン行程を、樹本さん自身が全て漫画にして読者に読んでもらおう! !』

その時の編集長と担当者の笑顔は今でも忘れません。
「よろしく御願いします! !」 一同、深く頭を下げていました。

2時間後、プロのお宅を出た我々は帰路の途に。
「良かった、良かった!」と、喜ぶ担当の背を見ながら、私の計算では・・・
「シングルって事は、81 で、いや切りよく80 でいいんだから、
 ひと月に1打ずつ減らしたとして・・・何だ21ヶ月か!」
「待てよ、俺なら控えめに2打ずつは堅いな・・・何だよ11ヶ月で
 連載終わっちゃうじゃんかぁ!」

気楽に考える樹本の身体能力はどれほどのモノなのか??・・??
はたして誰の思い通りになったのか!?
連載は何年続いたのか!?

     「 田原紘プロとの初対面」 完。


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